2023.01.15 22:00【ワ】(最終回)若者のすべて(私的埋蔵文化財) 監督ルキノ・ヴィスコンティはイタリア映画の巨匠。「ベニスに死す」、「ルードウィヒ」、「家族の肖像」など観た。絶賛の声は耳にしたが、密かによくわからんと思っていた。そして、分かったふりの業界人メ!などとも思っていた。無論、そんなことを表明する気はなく、そことは距離を置くだけだ。「...
2023.01.08 21:30【ロ】ロッキー(私的埋蔵文化財) 「ロッキー」は公開時、大きな話題だった。前評判よりも、公開後、見た人たちの口コミがすごかった気がする。1977年の映画だから、私が30歳の時、結婚して子どもも一人いて、なのに週末はふらふらと京都、大阪に出かけていた。そんなタイミングのどこかで、たぶん大阪駅前にあった梅田グランド...
2022.12.26 01:43【レ】LEON(私的埋蔵文化財) ジャン・レノである。この映画の孤独な殺し屋で大人気になった。でも、その前の「グラン・ブルー」でも潜り屋エンゾとして、多くの観客の目を引いた。 私には映画として「LEON」より「グラン・ブルー」の方がずっと面白い。ジャン・レノもこちらの方がいいと思う。素潜り競技の選手である主人公...
2022.12.19 02:19【ル】ROOTS(私的埋蔵文化財) 1977年、朝日放送で連夜放映された「ルーツ」は、社会現象といえるムーブメントを起こした。今私たちはごく一般的に「ルーツは・・・」と語る。しかしこのドラマを見るまで、そんな言い方はしなかった。当然、言葉はあったのだが、日本人の日常に登場することはなかった。 主人公のクンタ・キン...
2022.12.11 21:30【リ】リトル・ダンサー(私的埋蔵文化財) 【ヒ】の回で書いた「ビリー・エリオット」は、ロンドンで観たミュージカルだった。この元ネタが2000年の映画「リトル・ダンサー」であることは書いた。 そこでは炭鉱夫の父親とバレエダンサーにあこがれる息子が描かれるのだが、この父子関係が話題になることが多かったのだろう。公開数年後の...
2022.11.28 01:41【ラ】ラスト・シューティスト(私的埋蔵文化財) 1979年9月2日、大阪十三の弥生座で観たとパンフレットにメモがある。32歳だった私が、なぜそんなところで映画を観ているのか?十三に出かけていたといえば、「ロールシャッハ・テスト講座」の会場が思い浮かぶ。その終了後だったのだろうか?それにしても記憶がない。映画の中身だけではなく...
2022.11.22 01:20【ヨ】欲望という名の電車(私的埋蔵文化財) 京都労演で芝居を見始めて、「欲望という名の電車」のことが耳目に触れるようになった。それまでもマーロン・ブランドの映画のタイトルとして知ってはいたはずだが、そんなに関心は向かなかった。新劇を見るようになって、なんだかちょくちょく登場したのだった。「セールスマンの死」とか「熱いトタ...
2022.11.13 21:30【ユ】U・ボート(私的埋蔵文化財)「U・ボート」、「ネバーエンディング・ストーリー」のドイツ人監督ヴォルフガング・ペーターゼンは、2022年8月12日に81歳で亡くなったとウィキペディアに出ていた。2年前の同じ日が妻の命日だ。それだけのことだが。 昔から潜水艦映画というジャンルがあった。「深く静かに潜航せよ」(1...
2022.11.06 23:24【ヤ】約束の土地(私的埋蔵文化財) アンジェ・ワイダ監督、1975年モスクワ国際映画祭金賞受賞作品。と、パンフレットを読んでみても、映画の内容はさっぱり思い出せない。でも監督の名は私の世代なら誰もが耳にしたことがある。 「灰とダイアモンド」はポーランド映画で一番有名な作品ではないだろうか。学生運動が盛んだった時代...
2022.11.01 01:25【モ】目撃者―刑事ジョン・ブック―(私的埋蔵文化財) やっぱりハリソン・フォードのファンである。はじまりは映画「アメリカン・グラフィティ」。しかしあの中のハリソン・フォードはまだ目につかない。個性的な出演者は他にたくさんいた。作品はジュークボックス映画と呼ばれるように、60年代のヒットポップスがずっと流れているものだった。アメリカ...
2022.10.25 03:26【メ】メリー・ポピンズ(私的埋蔵文化財)「スーパーカリフラジュリスティックエクスピアリドーシャス」、当時の子どもはみんなこの長い単語が言えた。呪文のようなもので、青年期にさしかかっていた私の耳にも残った。そして今に至るまで忘れることができない。 だが、「メリー・ポピンズ」はあまり好きな映画ではない。いつの頃からかディズ...
2022.10.17 07:34【ム】無人の野(私的埋蔵文化財) 忘れられないシーンがあるベトナム映画。ベトナム戦争の渦中、ゲリラ掃討作戦により、無人化された深い水田地帯。動くもの、残っているものはゲリラとみなして、低空飛行する米軍ヘリから機銃掃射の対象になる。そんな場所でコメを作り、子を育てる若い夫婦。解放戦線の兵士でもある。 定期的に監視...