【ネ】ネバーエンディング ストーリー(私的埋蔵文化財)
ネバーエンディングストーリーは1985年3月21日、長男と次男を伴って京都・スカラ座で観たとパンフレットにメモがある。全く記憶にないから、記録しておくのは大切だなぁと思う。
そういえば、息子二人を連れて時々映画館に出かけていた。映画好きの私の趣味で、連れていかれる兄弟が迷惑していたことは後になって理解した。私はずいぶん長い間、自分の面白いと思うものを、身近な人にもそう思ってもらいたがり屋だった(今もそうか)。
だから子ども向けのアニメを見せてやるために映画館に連れていった記憶がない。自分が良いと思うものに同行させ、せっかく連れてきたのにとイライラしたり、なんで分からないんだなんて思っていた。字幕版洋画に連れていかれた次男など、居眠りしてしまい、よく私に叱られていた。もっとも、頑固な彼は、父子二人旅のニューヨークの劇場で、日本公開前のワクワク物の新作「ジュラシックパークⅡ」を観た時も、もう大学生だったが、居眠りしていた。
思い出すと、妻もその被害によくあっていた。京都労演の芝居を毎月一緒に見ることがあったのだが、帰路はそれでよくもめていた。全くはた迷惑な男である。
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当時、原作者のミヒャエル・エンデは大流行した。岩波書店から刊行されていた児童向けの翻訳本に、多くの大人が魅了されていた。最初に話題になった「モモ」を読んだとき、登場する「時間泥棒」のイメージにクラクラした。こんなに実感的に浸透してくるファンタジーって・・・と思ったのだ。きっと、エンデ好きな人はずっと好きなのだろうが、私はだんだん関心の熱が冷めていった。エンデの哲学的というのか、生真面目さというのか、エンタメ性とのギャップに遠ざかってしまったのだ。
この映画の感想は「普通」。監督のウォルフガング・ペーターゼン作品としては「Uボート」の方がずっと面白かった。登場する架空の生き物・ファルコンにもフーンと思ったくらいの記憶だ。
パンフを読んで思い出したのだが、ネバーエンディングストーリーなのに、上映時間は1時間35分。たしか原作本の、さぁここからってところまでで終わる。
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