【セ】世界残酷物語(私的埋蔵文化財)

 昭和37年(1962年)、60年前発行のパンフレット。私的埋蔵文化財と銘打っているからには、時代資料的な記録(記憶)も散りばめておかなくては羊頭狗肉だと言われかねない。

 この映画は物語ではない、怪しげなドキュメンタリーである。今ならYou Tubeでバズっているようなシーンを世界のあちこちから集めたモノだ。当時、これが爆発的にヒットした。続編や類似のモノがいろいろ製作された。近年、TVでも盛んに放映される世界ビックリ映像、仰天ニュースのハシリだった。

 そして20頁の薄いパンフレットの最後の見開き2頁は英文の映画紹介とデータである。こんなものを誰が読むと思って作っていたのか、今となっては不思議な気がするが、英語に対する憧れなのか、カッコいいと思っていたのか、当時のパンフレットにはしばしば英文が登場した。

 「世界・・・」と言えば、この前年、話題になったのはこちらの方だった。まだ海外旅行なんて夢のまた夢。1ドル360円(1971年まで)の固定相場の時代、外貨持ち出し額にも厳しい制限のあった頃の話。

 そんな時代に大スクリーンに繰り広げられる「世界の楽園」。東京と大阪にしかないシネラマ劇場で公開された映像には驚いてウットリした。その中のエピソードのひとつ、「バンジージャンプ」。南国の島の若者の通過儀礼風習には驚いた。まだ見ぬ世界の風俗、習慣に心動かされていたのが、ほんの50年余も前のことだったのだ。

士郎さん.com

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