【ナ】中島みゆきコンサート(私的埋蔵文化財)

 びっくりした。「な」の分類にパンフレットが一冊しかなかった。映画はゼロ。そんなことってあるかなぁ。たまたまこの時期に私の観た映画に「な」で始まるタイトルの物がなかったのだろう。

 そしてその一冊が中島みゆきのコンサートパンフ。1984年のコンサートツアーだから38年前。吉田拓郎、井上陽水、桑田佳祐・・・、この時代の人たちはみんな息が長いなー。他人のことは言っていられない、たいがい私もしぶとい。

 実は中島みゆきのコンサート、一度しか行ったことがない。チケットが取りにくいとかいう理由ではない。ツアー・スケジュールを見ると、おそらく京都会館第一ホールに行ったのだと思うが、初みゆきでびっくりしたのだ。よく覚えている。

 過去から現在にいたるまで、研ナオコ他の歌手によるヒット曲も含め、中島みゆきの楽曲は好みだった。今だって好きだ。ただ、関東系の深夜放送(オールナイトニッポン!)を聞く習慣はなかったし、世代的にも私の深夜放送族時代はもう一昔前のことだった。だから歌しか聞いたことがなかった。TVには出ない人だったから、話しているのを聞いたことがなかった。

 そしてあの日、ステージに現れた中島みゆきの語りを聞いてショックを受けてしまった。勝手に想像していた語りとあまりにも違った。自分が知らなかっただけで、ラジオ・リスナーたちはこれが大好きなのだろう。ただ私は、歌が耳に入ってこないくらいの違和感だった。だから二度とコンサートにはいかなかった。繰り返しますが、歌は好きなんです。

 そういえば、ユーミンにも同じことが言える。荒井由実から松任谷由実へ、何度も聴いた曲は多いのに、あのお姿、お人柄が受け入れられない。ひょっとすると私自身の側の弱点か、欠陥でもあるのかもしれない。

 それはさておき、このコンサート・パンフレットの最後のページにセロテープ止めで小袋が付いていた。わざわざ私がこんな細工をすることはないから、たぶんこのパンフの付録だったのだろう。その写真がこれなのだが、実はほんの数秒前まではピック(ギターの弦をつま弾くアレ)の形を留めていた。触ったとたん、粉になってしまった。そして煙の中から若かりし頃の中島みゆき嬢が・・・、なんてことがあれば面白いのだがそんなことはない。38年間の放置はこんな変化を引き起こすらしい。世の中の他のことも同じかもしれないなんて考えた。 

士郎さん.com

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