【ハ-2】パームスプリングの週末/バイバイ・バーディ(私的埋蔵文化財)

 パンフレット最終ページのメモに昭和39年(1964)2月22日(土)、映画入場料250円とある。同行者が書かれていて、今泉、岸、六十田と4人で行ったらしい。

 今泉は現在も交流がある。高槻第一中学校から一緒で、春日丘高校山岳部の同級生。岸はあだ名が「トチメン」というなんだかよくわからないやつ。転勤族の子で高校3年になる前に関東に転校していったのではなかったか。六十田は今も交流のある「純」の彼氏だった。でも、彼とはほとんど接点がなかったから、この時なぜ一緒に映画に行ったのかわからない。

 17歳だった自分にとってこの日がどんな日だったのか。高2から高3になる春休み間近。期末テストの終わったところなのか。今はない梅田グランド劇場は、最初はビルの1階、その後同ビルの地下の劇場になった。満席だった「ロッキー」や、驚きに声が出た「キャリー」をここで観た。その後、梅田花月になった劇場だ。

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 「パームスプリングの週末」(パーム スプリングスは地名だ。別に複数形でもなかろうに、なんで末尾の「ス」を取って邦題にしたのだろう?)。トロイ・ドナヒュー主演で相手役はコニー・スティーヴンス。TVドラマ「ハワイアン・アイ」でも共演のコンビで、彼女の歌う「Mr.ソングライター」が大好きで、深夜放送ラジオのリクエストに何度か出した。たいていは聞いているのに、ハガキが読まれた時だけ聞いていなくて、翌日学校で「団、ハガキ読まれてたやん!」と知人に知らされて悔しかった。

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 「バイバイ・バーディ」は今泉が大好きな映画。そういえばシルビー・バルタンの「アイドルを探せ」も熱烈なファンだった。あいつは山岳部の部長だったのだが、今振り返ると結構なミーハーだ。学校で人気者の女子にも、密かにキャーキャー(男だからそうはいわないけど)言っていた。

 人気歌手が兵役に服するために(1970年代まで米国は徴兵制があった)起きた大騒ぎのミュージカル、そして映画化も大ヒットした。アン・マーグレットはこれで飛び出してきて大人気女優になった。ボビー・ライデルも出演していて、私は「愛なき世界」で大ファンになった。その年の大阪公演にチケットを握りしめて出かけた。初めての外タレ(外国人タレントの略)公演体験だった。

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