【ユ】U・ボート(私的埋蔵文化財)

「U・ボート」、「ネバーエンディング・ストーリー」のドイツ人監督ヴォルフガング・ペーターゼンは、2022年8月12日に81歳で亡くなったとウィキペディアに出ていた。2年前の同じ日が妻の命日だ。それだけのことだが。

 昔から潜水艦映画というジャンルがあった。「深く静かに潜航せよ」(1958)なんてタイトルがすぐ思い浮かぶ。狭い艦内、深い海の底、逃げ場のないところで、敵の機雷、魚雷攻撃をかわして、海中から攻撃する。閉所恐怖症だったりしたらパニックだなぁと思うし、そうでなくても不安になったらどうしようもない空間だ。

 J・F.ケネディ大統領は海軍士官として潜水艦に乗っていたことがあって、その時の物語を映画化したのが「魚雷艇109」。当時話題で、私も観た。しかし、この「U・ボート」もそうだが、舞台が潜水艦内という密室で作戦執行中限定なので、どれがどの話だか区別がつかない。区別しなくても、潜水艦映画はたいていそんな映画だということになってしまう。

 そういえば最近、ネット配信ドラマで、現在の海軍潜水艦内で殺人事件が起きて…なんてイギリス制作?のドラマがあった。文字通り密室殺人なのだ。続き物で、2回ほど観てやめてしまったが、映像や展開に既視感があって、もういいやと思ったのだった。

 潜水艦と言えば潜望鏡のこれだろう。乗ったことも、実物を見たこともないが、スコープの中に姿を捉えると、自動的に命中させたくなってしまう。相手には姿を見せずに、密かに捉えているなんて、ちょっと覗き魔みたいだ。

 昔、ハワイ沖で日本の練習船「えひめ丸」がアメリカの原子力潜水艦に衝突されて沈んで、多くの死者が出た。あのニュースで驚いたのは、当時潜水艦は、民間人の体験乗船対応中だったということだ。潜水艦に乗ってみたい客対応に気を取られて、安全確認がおろそかになったなど、許しがたいと思った。

 そうそう、もう一つ、ソナー音なんて、潜水艦映画でしか聞いたことがない音のことも思い出した。ネットで調べるとその映像が出てきた。乗員は物音をたてないよう静かに息をひそめ、そこに高いソナー音が繰り返されるシーンは息が詰まる感じがした。

士郎さん.com

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